第9章 ソング構成とライブ演奏
SEQTRAKでは、作ったパターンをシーンとして並べ、ソングモードで曲順に再生できます。さらにシーンモードでは、1つのシーンをループ再生しながら、任意のタイミングで切り替えられます。
この章では、1つのメインループから、イントロ、メイン、ブレイク、ドロップの4シーンを作ります。
ソングとシーンの考え方
プロジェクトごとに1つのソングを持てます。ソングは最大16シーンで構成されます。シーンは、全トラックのパターン組み合わせを保存したフレーズです。
| 単位 | 役割 |
|---|---|
| Pattern | 各トラックのループ |
| Scene | 全トラックのパターン組み合わせ |
| Song | シーンを順番に並べた曲構成 |
パターンは部品、シーンは場面、ソングは曲順です。制作中に迷ったら、「いまパターンそのものを直しているのか」「シーンが参照するパターン番号を変えているのか」を分けて考えます。
flowchart TB
project["Project<br/>曲ごとの作業箱"] --> song["Song<br/>Scene 1-16 の再生順"]
song --> scene1["Scene 1: Intro"]
song --> scene2["Scene 2: Main"]
song --> scene3["Scene 3: Break"]
song --> scene4["Scene 4: Drop"]
scene1Contents["Scene 1 が覚える内容<br/>KICK: Pattern 1 / mute<br/>SNARE: Pattern 1 / mute<br/>HAT: Pattern 2 / on<br/>SYNTH 1: Pattern 1 / mute<br/>SAMPLER: Pattern 3 / on"]
scene2Contents["Scene 2 が覚える内容<br/>KICK: Pattern 1 / on<br/>SNARE: Pattern 1 / on<br/>HAT: Pattern 1 / on<br/>SYNTH 1: Pattern 2 / on<br/>SAMPLER: Pattern 3 / mute"]
scene1 -. "Intro用: 音数少なめ" .-> scene1Contents
scene2 -. "Main用: 土台と主役を戻す" .-> scene2Contents
上の図では、Sceneが音符データを全部持っているというより、「各トラックでどのPatternを鳴らすか」と「ミュート/ソロの状態」をまとめている、と見ると整理しやすくなります。Patternを編集すると、そのPatternを使っているSceneにも音の中身として反映されます。Scene側でPattern番号やミュートを変えると、そのSceneだけの展開が変わります。
| 操作 | 主に変わるもの | 影響の見え方 |
|---|---|---|
| トラックノブでPatternを選ぶ | 選択中SceneのPattern組み合わせ | そのSceneだけ、鳴るフレーズが変わる |
| Pattern内のステップや音色を編集する | Patternそのもの | 同じPatternを使うSceneでも中身が変わる |
| 空のDrumキーでSceneを追加する | Song内のScene数 | 選択中Sceneのコピーから新しい場面を作れる |
PAGE + ALLでScene長を変える | 選択中Sceneの長さ | ソング再生時の滞在時間が変わる |
| ミュート/ソロを設定する | 選択中Sceneの鳴り方 | IntroやBreakの抜き差しを作れる |
ソングモードに入る
ALLノブを押しながらPROJECT ↑ボタンを押します。- ソングモードに入ると、インデックスの
SONGが点灯します。 - 再生中にソングモードへ入ると、再生は停止します。
ソングモードを終了するときは、いったんシーンモードに切り替えてから同じ操作を行います。
シーンモードに切り替える
- ソングモード中に、
ALLノブを押しながらPROJECT ↑ボタンを押します。 - シーンモードに切り替わります。
- 同じ操作でシーンモードを終了します。
ソングモードやシーンモードを終了しても、再生は停止しません。終了時のパターン組み合わせやミュート/ソロ状態は維持されます。
シーンモードでシーンを選ぶ
シーンモードに切り替えたら、再生または編集したいシーンに対応するDrumキーを押します。選んだシーンが、次に[/PLAY]を押したときのループ再生対象になります。
- シーンモードに入ります。
- Scene 1ならDrumキー1、Scene 2ならDrumキー2のように、対応するDrumキーを押します。
- 選択したシーンのパターン組み合わせやミュート/ソロ状態を確認します。
[/PLAY]を押すと、そのシーンをループ再生します。
再生中に別のDrumキーを押すと、すぐに音が飛ぶのではなく、ローンチクオンタイズのタイミングで次のシーンへ切り替わります。
シーンを再生する
| モード | [/PLAY]を押したとき |
|---|---|
| ソングモード | 選択中のシーンから順番に再生 |
| シーンモード | 選択中のシーンをループ再生 |
- ソングモードまたはシーンモードに入ります。
- Drumキーで再生したいシーンを選びます。
[/PLAY]を押します。- 停止するときは、もう一度
[/PLAY]を押します。
再生中に別のDrumキーを押した場合、ソングモードでは現在のシーンが最後まで再生されてから切り替わります。シーンモードでは、ローンチクオンタイズのタイミングで切り替わります。
flowchart TD
normal["通常のパターン再生<br/>トラックごとにPatternを切り替える"]
songMode["ソングモード<br/>Sceneを曲順に再生する"]
sceneMode["シーンモード<br/>選択Sceneをループ再生する"]
sceneSelected["Scene選択中<br/>Drumキーで対象Sceneを選ぶ"]
songPlay["ソング再生中<br/>選択Sceneから順番に進む"]
songReserve["次Sceneを予約<br/>現Sceneの終端で切り替え"]
scenePlay["シーン再生中<br/>選択Sceneを繰り返す"]
sceneReserve["次Sceneを予約<br/>Launch Quantizeで切り替え"]
sceneLoop["Sceneループ<br/>Drumキーのダブルタップで固定"]
normal -- "ALL + PROJECT↑<br/>再生中なら停止" --> songMode
songMode -- "ALL + PROJECT↑" --> sceneMode
sceneMode -- "ALL + PROJECT↑<br/>再生は止まらない" --> normal
songMode -- "PLAY" --> songPlay
songPlay -- "Drumキー" --> songReserve
songReserve --> songPlay
songPlay -- "Drumキーをダブルタップ" --> sceneLoop
sceneLoop -- "同じDrumキー / 別Scene" --> songPlay
sceneMode -- "Drumキー" --> sceneSelected
sceneSelected -- "PLAY" --> scenePlay
scenePlay -- "Drumキー" --> sceneReserve
sceneReserve --> scenePlay
制作時は、通常のパターン再生で素材を作り、ソングモードでSceneを追加して曲順を作り、シーンモードで1場面ずつループ確認します。ライブ時は、ソングモードを曲順の自動再生、シーンモードをその場で展開を伸ばすモードとして使い分けます。
シーンをループする
ソングモード中に、特定のシーンを繰り返し再生できます。
- ソングモードでシーンを再生します。
- ループしたいシーンのDrumキーをダブルタップします。
- ループ中は、そのDrumキーが紫色と水色に交互に点灯します。
- 解除するときは、そのDrumキーを押すか、別のシーンを選びます。
ライブ中にブレイクを長く伸ばしたい場合は、ブレイクシーンをダブルタップしてループさせます。
シーンを追加する
- ソングモードまたはシーンモードに入ります。
- 消灯しているDrumキーを押します。
- 新しいシーンが追加されます。
- 新しいシーンには、選択中のシーンがコピーされます。
最大16シーンまで追加できます。最初は4シーンだけで十分です。
シーンを削除する
DELETEボタンを押したままにします。- 赤色に点灯している削除対象のDrumキーを押します。
- 削除されたシーンより後ろのシーンは前に詰められます。
再生中のシーンは削除されません。削除する前に停止して、選んでいるシーンを確認します。
シーンのパターン組み合わせを変える
シーンは、各トラックがどのパターンを鳴らすかの組み合わせです。
- 編集したいシーンをDrumキーで選びます。
- 各トラックノブを回して、そのシーンで使うパターンを選びます。
ALLノブを回すと、11トラックすべてを同時に変更できます。- 必要ならミュート/ソロも設定します。
同じKICKを使い、HATだけ別パターンにする、SYNTH 2だけメロディを変える、という作り方が扱いやすいです。
シーンの長さを変える
ソングモードでは、シーンごとの長さを設定できます。
- ソングモードで編集したいシーンを選びます。
PAGEボタンを押しながらALLノブを回します。- 1小節単位で変えたい場合は、
ALLノブを押しながら回します。 - グローバルメーターに小節数、Drumキーにステップ数が表示されます。
ALLノブを左に回しきると、すべてのDrumキーが水色に点灯し、シーン長がAUTOになります。AUTOでは、シーン内で最も長いパターンの長さに合わせられます。
4シーンの曲構成を作る
まずは、次の4シーンを作ります。
| シーン | 役割 | 鳴らすトラック |
|---|---|---|
| Scene 1 | Intro | HAT、SYNTH 2、薄いSAMPLER |
| Scene 2 | Main | KICK、SNARE、HAT、SYNTH 1、SYNTH 2 |
| Scene 3 | Break | KICKとSYNTH 1を抜く |
| Scene 4 | Drop | Mainに戻し、PERCやDXを追加 |
flowchart LR
intro["Scene 1<br/>Intro<br/>音数を少なく始める"]
main["Scene 2<br/>Main<br/>基本形を聴かせる"]
breakScene["Scene 3<br/>Break<br/>キックや主役を抜く"]
drop["Scene 4<br/>Drop<br/>主役を戻して追加する"]
intro --> main --> breakScene --> drop
breakScene -. "ライブ中はダブルタップで延長" .-> breakScene
Scene 1: Intro
- シーン1を選びます。
KICK、SNARE、SYNTH 1をミュートします。HAT 1、SYNTH 2、SAMPLERだけを残します。- シーン長を2小節または4小節にします。
Scene 2: Main
- 空のDrumキーを押して、Scene 2を追加します。
KICK、SNARE、HAT 1、SYNTH 1、SYNTH 2を鳴らします。- 必要なら
SAMPLERを1箇所だけ入れます。
Scene 3: Break
- Scene 2を元に、Scene 3を追加します。
KICKとSYNTH 1をミュートします。REVERB SENDやMASTERエフェクトで空間を広げます。- Scene 3はライブ中にダブルタップでループできるようにします。
Scene 4: Drop
- Scene 4を追加します。
- Scene 2の構成に戻します。
PERC 1、PERC 2、DXのどれかを追加します。REPEATERやHIGH PASSは、Scene 4へ入る直前だけ手で動かします。
ライブ演奏の練習順
- Scene 1を再生します。
- Scene 2を予約してMainへ入ります。
- Scene 3を選び、Breakに入ります。
- Scene 3をダブルタップしてループします。
HIGH PASSやREPEATERで盛り上げます。- Scene 4を選び、Dropへ戻します。
- 最後はトラックをミュートして音数を減らします。
この流れを何度か練習し、手が迷う操作を減らします。ライブでは、複雑な音作りよりも、どのシーンで何を押すかを決めておく方が安定します。
次に試すこと
次の章では、SEQTRAKアプリ、USB/Bluetooth/Wi-Fi接続、MIDI、バックアップ、ファームウェアアップデート、電源まわりを整理します。